金継ぎ教室④

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金継ぎ教室もいよいよ最終章です!

欠けたり、割れた器が世界に一つだけの自分だけの器に生まれ変わる、金を蒔く工程です。
前回のおさらい含めご紹介します。

工程
漆塗り〜金を蒔く(コーティングまで)

【材料・準備するもの】
・金継ぎセットより
漆、ヘラ、ガムテレピン油、小筆(漆用、金蒔き用)、真綿、金粉
・サラダ油
・耐水ペーパー#1000”水研ぎ用“
・拭き取り紙(あぶらとり紙可)
・赤い漆

工程①
耐水ペーパーで余分なサビ漆をやさしく研ぎます。

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工程②
サビ漆のコーティング=漆を塗ります。
ガムテレピン油で筆を洗ってから使用します。
今までコツコツ埋めてきたサビ漆が取れないように、サビ漆部分に漆を塗っていきます。
この時は、はみ出さないようにします。
塗り終わったら、サラダ油で筆を濾すように洗って漆をしっかり落として形を整えます。
※ここまでは前回のおさらいです。筆の洗い方は前回に載っています。
数日乾燥させます。

工程③
金を蒔く前の漆塗り
金の色がキレイに出るように赤色の漆で塗っていきます。

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ここで注意!
漆を塗る時はどっぷりつけない、なるべく平らに塗ります。
→そうしないと、金を蒔いた時にぷっくりしてしまい見た目がイマイチに…
塗り残しがないように確認します。
→塗っていないところには、金がつかないのでキレイな仕上がりにならないです。

※金を蒔く形を考えながら塗る。実際のサビ漆の形よりも 丸く…とかサイズ感を大きめに…とか
金を蒔いてステキな形になるように(^^)
今回は“欠け“なので丸い形にしましたが、“割れ、ヒビ“などは線状になります。この場合は、少し太めに漆塗りをした方が金継ぎ部分がキレイに見えます。

MEMO…金や銀の下地漆について:金を蒔く時→赤色 銀を蒔く時→黒色 漆でも問題ないようですが、よりキレイに色を出したい場合は下地の色にもこだわると発色よく輝きます!

10分くらい乾燥させます。

工程④
余分な漆を除去します。専用の“拭き取り紙“というのがありますが、あぶらとり紙でも良いそうです。
乾燥させた部分に拭き取り紙を当てて余分な漆をとります。さっと抑えるくらいで十分です。(画像が違う器ですみません。)

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工程⑤
金を蒔く
真綿を小さくカットしたもの もしくは、小筆でトントンしながら金蒔きします。

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真綿に金粉をポンポンとつけ器の上(サビ漆の上)で金を落とします。
金でサビ漆に部分が埋まったら…

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小筆で、金を蒔いた部分を軽く撫でます。

すると…

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キレイに金継ぎできています!!
一気にキレイな金継ぎが出てくるので、感動しますよ〜!!

数分おいて、金が馴染んでくると、うまく金が蒔かれていない場合下地の赤い漆が浮き出てきます。
そんな時は、また金粉を蒔きます。
何度か、筆で撫でると艶が出てきます。
※この時使用した筆は洗わずにしまいます。金がついているので次回そのまま使用します。

※金継ぎした形を修正したい場合、この時なら修正可能です! 時間が経つと乾いてしまうので厳しいです。
大幅にはできませんが、ガタガタした丸をキレイな丸に…くらいなら、爪楊枝でガタガタ部分をなぞるとキレイな丸になります。

別の器もご紹介します。↓

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2箇所、キレイに金継ぎできました! ! 1箇所はまだ金継ぎ前の漆コーティング状態…。

普段使用していて、金が取れないのかなぁと…疑問で、先生に質問してみたのですが、

使う頻度によって、仕上げの仕方を変えてもいいようです。
1番キレイに金が見えるのは、上記のやり方だそうです。

常時使用するもの、金が取れてしまうのが心配な場合は金継ぎした後に漆を塗ると取れにくいそうです。ただ、金の色が少し変わってしまうそうです。
試しにやってみたので、工程載せておきます。

工程⑥
漆コーティング
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・少量のガムテレピン油(灯油可)→画像…透明の液体
・漆              →画像…茶色の液体
ガムテレピン油で洗った筆で、ほんの少しガムテレピン油を取って漆に混ぜます。
混ぜたものを金継ぎした箇所に塗っていきます。

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塗り終わったら、あぶらとり紙で余分な漆をとります。
あぶらとり紙を金継ぎした箇所にかぶせて指で押さえます。

金をしっかり付着させるため1ヶ月ほどしっかり乾燥させます。

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完成です!! 金の色みは、金継ぎした範囲が小さかったせいかそこまで変化はなかったです。

MEMO:使用しているうちに金が取れてしまったら、ヤスリで削り、赤色漆を塗って金を蒔けば元通りになるそうです。

ここまで長かったですが、大満足(^^)
先生に丁寧に教えていただいたので、技術をしっかり習得できました。

最終章は駆け込みで数週間〜1ヶ月ほどかかる工程をまとめて書き込みましたが、全工程載せれました。
時間をかけてじっくり取り組める金継ぎは、このコロナ時期にぴったりの作業でした。
金継ぎ時間が、心の余裕にも繋がり、最後には世界でひとつだけのオリジナル作品になりほっこりしています。

他の器もあるのですが、まだ作業中なので、またの機会にご紹介しますね。

今回は、この辺で…